歯科口腔外科

診療内容特長

●顎関節疾患の治療
私ども田北病院歯科口腔外科では、顎関節外科的診断および治療戦略を常備しています。顎関節腔パンピング、顎関節腔洗浄療法、顎関節鏡視下手術、さまざまな顎関節開放手術をより専門的に手掛けています。顎関節疾患は、2人に1人が経験する病気です。一時的なもので時間の経過とともに症状はやわらいでいくこともありますが、その一方で症状が改善せず、病院を転々としたり、何年にもわたって症状に苦しんだり、深刻になることもあります。そのような場合の顎関節疾患の治療は、手術を施行することになり、当院では、高い成功率を納めています。

●周術期口腔ケアセンター
田北病院では、全身麻酔の手術を受けられる患者さま等を対象に「周術期口腔ケア」を実施しています。手術後に肺炎になり入院が長引くケースが多く、このリスクを軽減する周術期口腔ケアの効果が注目され、平成24年度より保険診療の対象となりました。口腔ケアは発熱・肺炎のリスクを軽減し、早期退院につながります。

●インプラント治療
インプラント(人工歯根)とは植え付けるということを意味し、歯科の領域ではインプラント治療は一般的に人工歯根治療のことを示しています。通常、歯を失った場合には、ブリッジ(残った歯を橋渡ししてつないだもの)や取り外しの入れ歯を入れることとなります。しかしその場合は、周囲の歯に負担をかけてしまいます。インプラント治療では歯の欠損部の骨にインプラントを埋め込み、その上に人工の歯を装着します。歯茎に載せるだけの入れ歯(デンチャー)とは違い、永久歯と同じぐらいに「ものを噛む力」が回復します。一本の歯を失った場合でも、全部の歯を失った場合でも可能です。インプラントの材質には、生体親和性のある金属のチタンが使われています。

インプラントの治療においては、術前の診査診断がとても大切で、患者さんがどの程度口腔清掃ができるか、上下の噛み合わせの状態がどうか等を診察し、顎骨の形態や厚みや神経との位置関係はCTを撮影し、事前にシミュレーションソフトで解析を行います。またインプラントを埋め込む顎骨の骨質や粘膜の状態だけでなく、糖尿病や心疾患などの全身疾患に関する検査も不可欠となります。また虫歯や歯槽膿漏の歯がある場合はインプラント手術前にきちんと治療しておかなければなりません。通常インプラントと骨がなじむ(治癒する)のに3か月から6か月程の期間を必要とし、インプラント治療を開始して歯が入るまでに下顎骨で半年、上顎骨で8か月程かかります。しかし、症例により早期の咬合(かみ合わせ)改善が可能な場合もあります。またインプラント治療後の長期間の高い成功のためには、健康の維持と日常の口腔ケア(歯ブラシ)およびメンテナンス(定期健診)が必須となります。
また、一般開業歯科では扱えない、骨の移植を必要とするような症例や、内科的疾患を有するような症例、また他病院での予後不良症例等も扱っております。必要であれば奈良県立医科大学口腔外科と連携し、治療を行います。

これらのことを含め、総合的に検討したうえで治療計画を立てていきます。
まずは、お気軽にご相談ください



●有病者歯科治療
近年の医療技術の進歩により、さまざまな全身疾患を有しながらも日常生活を送ることが可能となってきています。それに伴いさまざまな疾患を有し、さまざまな薬剤を服用しながら歯科医療にもかかられていることと思います。最近では口腔内病変と全身疾患との関わりも解明されつつあります。単に口腔だけにとらわれることなく、全身的な疾患や薬剤の知識を有しつつ、医科との連携を図りながら歯科医療に臨んでいます。


●院内感染対策
医療の現場では、安全に医療行為を行うために適切な感染対策を行うことが基本となります。スタンダードプリコーション(標準予防策)に準じることに努めて、当科では日常の診療を行っております。患者さまと患者さま、術者と患者さまの感染を防ぐことにつながります。術者はアイプロテクト(防護メガネ)を使用し、当然のことながら手袋は患者さまごとに交換をしております。滅菌が必要な器具は滅菌し、使い捨てるものは使い捨てる。それらを適切に実践しています。


●スポーツ歯科
当院のスポーツサポートチームの一員としてスポーツ選手の口腔領域のサポートを行っています。より安全に、そして競技に集中し、選手が最大限のパフォーマンスを出せるようにお手伝いをします。適合の良いカスタムメイドのスポーツマウスガードの作製や選手の口腔内管理を行います。適合の良いマウスガードは、受傷した時も歯牙はもちろんのこと口腔周辺の粘膜や、顎骨を守り、ひいては脳震盪の軽減にもつながります。最近ではスポーツパフォーマンスの向上にもつながるといわれつつあります。また、口腔内に歯周病や虫歯があれば競技に集中はできません。スポーツ選手たるもの、健全な口腔内なくしていい結果は得られません。安全に安心してスポーツに臨めるようにサポートします。

医師プロフィール

 川上哲司(Kawakami Tetsuji)

歯科口腔外科部長
医学博士

 専門医・学会認定医

歯科医師臨床研修指導歯科医
公益社団法人日本口腔外科学会指導医・専門医
一般社団法人日本顎関節学会指導医・専門医
日本口腔顔面痛学会指導医・専門医
日本小児口腔外科学会指導医・認定医
日本歯科麻酔学会認定医
日本睡眠歯科学会指導医・認定医
日本口腔科学会 認定医
一般社団法人日本睡眠教育機構睡眠健康指導士

 学会代議員・評議員

日本口腔外科学会
日本顎関節学会
日本小児口腔外科学会
日本睡眠歯科学会
日本口腔顔面痛学会

 所属学会

日本口腔外科学会
日本顎関節学会
American Society of Temporomandibular Joint Surgeons
日本顎関節外科研究会
日本小児口腔外科学会
日本歯科麻酔学会
日本口腔科学会
日本老年歯科学会
日本口腔診断学会
国際口腔顎顔面外科学会
アジア口腔顎顔面外科学会
日本口腔インプラント学会
国際歯科研究学会
日本障害者歯科学会
日本睡眠歯科学会
日本スポーツ歯科学会
日本顎顔面インプラント学会
日本口腔顔面痛学会
日本レーザー医学会
日本矯正歯科医学会
日本有病者歯科医療学会

 プロフィール

昭和33年10月 : 兵庫県淡路市に生まれる
昭和59年 3月 : 神奈川歯科大学歯学部卒業
昭和59年 5月 : 奈良県立医科大学附属病院臨床研修医
昭和61年 5月 : 奈良県立医科大学附属病院医員
平成 5年 5月 : 奈良県立医科大学医学部助手
平成 8年 1月 : アメリカ合州国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(文部科学省在外研究員)
平成10年12月 : 奈良県立医科大学医学部講師
平成28年 4月 : 田北病院歯科口腔外科部長として赴任

 メッセージ

循咀嚼に関わるシステムを咀嚼器官といいますが、咀嚼のみならず発音や嚥下にも関わります。咀嚼は、食べものを体内に取り込むための、最初の消化活動と言えます。咀嚼することは食べ物の消化・吸収を助けるだけでなく、脳内の血液量の増加、覚醒効果やリラックス効果、内臓の働きを助け、大脳の働きを活発にし、精神を安定させる重要な役割も果たしています。しかしこのような機能を果たすためには、顎機能障害や口腔顔面の疼痛障害がないことが前提となります。この対応ために、当施設では顎関節疾患(顎関節脱臼を含む)、口腔顔面痛 (非歯原性歯痛を含む)、睡眠歯科(睡眠時無呼吸症)をより専門的に診療を行います。

 松末友美子(Matsusue Yumiko)

歯科口腔外科医長
医学博士(奈良県立医科大学大学院)

 専門医・学会認定医

日本口腔外科学会認定医・専門医
日本顎関節学会認定医・専門医
日本歯科麻酔学会認定医
日本有病者歯科医療学会専門医・指導医
日本口腔科学会認定医
日本口腔診断学会認定医
インフェクションコントロールドクター

 所属学会

日本口腔外科学会
日本口腔科学会
日本口腔顎顔面外傷学会
日本顎関節学会
日本口腔診断学会
日本口腔内科学会
日本歯科麻酔学会
日本有病者歯科医療学会
日本顎変形症学会
日本口腔インプラント学会
日本顎顔面インプラント学会
日本癌治療学会

 プロフィール

平成17年3月 : 大阪大学歯学部卒業
平成18年4月 : 奈良県立医科大学附属病院臨床研修医(口腔外科)
平成19年4月 : 奈良県立医科大学附属病院後期研修医(麻酔科研修)
平成20年4月 : 奈良県立医科大学附属病院医院医員(口腔外科)
平成22年4月 : 奈良県立医科大学大学院研究科口腔・顎顔面機能制御医学大学院
平成26年4月 : 奈良県立医科大学附属病院医員(口腔外科)
平成28年4月 : 奈良県立医科大学附属病院診療助教(口腔外科)
平成29年4月 : 田北病院歯科口腔外科医長

 メッセージ

医学の進歩や文化の発達などに伴い、日常歯科診療で全身的に何らかの配慮を必要とする基礎疾患を有した患者様(いわゆる有病者)の占める割合が増加しています。わが国の社会的方向性では在宅医療の充実に向けて、一般開業医と病院歯科の連携体制が求められています。医科歯科連携の架け橋として地域包括ケアシステムにおける役割の一端を担ってゆきたいと存じます。またチーム医療の一環として院内のNSTや周術期管理における口腔ケアなどにも取り組んでいきます。

非常勤医師

 堀田聡(Horita Satoshi)

奈良県立医科大学 口腔外科学講座 (学内講師・医局長・外来医長)
医学博士

 専門

顎顔面インプラント、顎顔面外傷、顎変形症

 専門医

日本口腔外科学会専門医・指導医
日本顎顔面インプラント学会専門医
日本障害者歯科学会認定医
日本ACLS協会BLSインストラクター
ICD協議会認定インフェクションコントロールドクター
歯科医師臨床研修指導医

 所属学会名

日本口腔外科学会・日本顎顔面インプラント学会・日本口腔インプラント学会
日本口腔顎顔面外傷学会・日本顎変形症学会・日本障害者歯科学会
日本有病者歯科学会・日本臨床バイオメカニクス学会・日本ACLS協会
日本口腔感染症学会


 伊藤宗一郎(Ito Soichiro)

 専門

口腔外科全般

 専門医・学会認定医

公益社団法人日本口腔外科学会認定医

 所属学会

日本口腔外科学会
日本口腔科学会
日本顎顔面インプラント学会
日本有病者歯科医療学会
日本癌治療学会
日本口腔腫瘍学会
日本頭頸部癌学会
日本形成外科学会


 福辻智(Fukutsuji Satoshi)

 専門医

日本有病者歯科医療学会認定医・指導医
Infection Control Doctor
抗菌化学療法認定歯科医師

平成29年度 歯科口腔外科手術件数 [2017年4月~2018年3月]

下顎完全埋伏歯抜歯術 16
完全埋伏歯(過剰歯)抜歯術 2
下顎隆起・口蓋隆起形成術 3
顎骨骨髄炎消炎手術 4
顎骨腫瘍・嚢胞摘出術 29
舌・口唇腫瘍摘出術 1
歯根嚢胞摘出術 10
口蓋腫瘍摘出術 1
経皮的腫瘍(耳下腺腫瘍)切除・摘出術 3
経皮的顎骨腫瘍摘出術 1
小唾液腺良性腫瘍摘出術 2
ラヌーラ切開・開窓術 1
上顎洞根治術 6
顎関節鏡視下手術 8
筋突起切除術(咀嚼筋腱・腱膜過形成症) 7
顎関節脱臼観血的手術 1
顎関節腫瘍切除術 1
前癌病変切除術 1
合計 97件