幸寿苑ブログ

2024.09.01

運動の指標

まだまだ暑い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

「夏が終われば運動しよう」「涼しくなってきたら散歩でもしようかな」「夏は外へあまり出なかったから、体力落ちたかな」

そんなことを思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

「でも、どんな風にやっていけばいいのかよくわからない… 具体的にはどうすれば?」

そんな疑問について考えてみたいと思います。

効果的に運動やトレーニングを行うために、「FITT (フィット)」という指標を使って考えてみます。

運動処方の略語なんですが、ちょっとカッコイイですね。

ちなみに…FITTとは、運動処方に大切な4つのポイントのことで、

Frequency(フリークエンシー):どんな運動頻度で

Intensity(インテンシティー):どんな強さで

Time(タイム):運動時間 どれくらいの時間を

Type of exercise(タイプ オブ エクササイズ):どんなトレーニングの種類で

という感じで考えます。

今回は、[厚生労働省 健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023]を参考に、高齢者向きで一般的なものをご紹介いたします。

まずは、運動頻度について

高齢者の運動頻度は週3日以上が推奨

高齢者において、推奨されている運動頻度は週3日以上です。運動を開始した初期は疲労が蓄積しやすいこともあるため、運動した次の日には体を休める日(休息日)を設けるとよいでしょう。

運動に慣れてきたら、毎日運動することを目指しましょう。

次に、運動強度と時間について

運動や生活活動で1日40分以上は体を動かす(運動や生活活動を含めて)

強さについては、下記に示す、METs(メッツ)という指標がよく基準にされます。

じっとしている状態を1メッツ、歩行(散歩等)や家事等を3メッツと考え、3メッツ程度の強さで一日合計40分動くことを基準とします。

大変そうですが、運動だけではなく、家事や日常生活動作も時間に入れると案外できそうですよね!

また、1日40分以上の活動は、歩数に換算すると1日約6000歩以上に相当するといわれています。

お家でちょこちょこ動くだけで歩行と同じ効果があるんですね!

最近は当苑の利用者様にもスマホのヘルスアプリや携帯の万歩計機能を使って運動管理されている方も増えました。IT化が進んでいますね。

また、上記の強度、時間に満たなくとも、少しでも身体活動を行うことが推奨されています。

とにかく「今よりちょっとでも動く」ことが重要なんです。

最後に、運動の種類について

有酸素運動・筋力トレーニング・バランス運動・柔軟運動など多要素な運動を週3日以上行うことが推奨されています。

・有酸素運動…筋肉への負荷が比較的軽く長時間継続して行う運動 ウォーキングやジョギングなど

・筋力トレーニング…強い力を使って比較的短い時間で行なう運動 スクワットや腕立て伏せ、上体起こし、足上げなど

・バランス運動…バランス能力を改善する運動 さまざまな筋肉が鍛えられるため、転倒防止やパフォーマンスの向上などの効果が期待できます。 片足立ち・つま先立ちなど

・柔軟運動(ストレッチ)…筋を伸ばす柔軟体操のことで、ストレッチとは「伸ばす」という意味です。

いろいろあるのですが、私のおすすめはラジオ体操です。第一、第二とそれぞれ約3分だそうで、バランス、ストレッチの要素が程よく入っており、ある程度やり方を知っているので導入しやすいですね!

(ラジオ体操にはジャンプ動作があるので、転倒にくれぐれも注意です!)

いかがでしたか?

皆様が日々の運動習慣を考えるご参考になったら幸いです。

最後に注意点です(厚生労働省資料より引用)

〇体力レベルや普段の身体活動、疾病の状況が大きく異なるので、個々の状況に合った形で、目的や目標を共有し、 徐々に進めていくことが重要です。

〇普段運動しない人が急に運動する時は、心血管系の事故のリスクが高まっています。 久しぶりに運動する時は、ゆっくりと始め、徐々に強度を上げていきましょう。

〇膝・腰等に痛みがある場合は、事前にかかりつけ医や運動指導者に相談して、安全に進めましょう。

〇慢性疾患や慢性疼痛のある人でも、今より少しでも活動的になることは有意義なことです。 運動をおこなう上での注意点をかかりつけ医や運動指導者に確認し、安全に進めていきましょう。

FITTを意識して運動機会を増やしてまいりましょう!